山案内・Yaman

笊ヶ岳・Mt.Zaru

笊ヶ岳への径から見た赤石岳(撮影、鈴木佑之 1999.5.3)

1.概要

標高2,629メートル・2万5千分の1地形図、新倉、赤石岳、七面山、上河内

この山の良さは、その展望にある。そしてその幸せは、百名山に選ばれなかったことです。
頂上からは、南アルプスのジャイアント群が眼前に広がる。
登路は、幾つかあるが、私が25年程前に登った中の宿のコースは、トラバース道の崩壊がひどいようだ。
今回、仲間が、比較的新しく開かれた椹島からのコースを使って往復して来ました。
そのコースを最新の情報で紹介します。しかし、このコースもかなりタフなコースです。
ハイキング気分で行けるところではないので、しっかりしたリーダーのもとで計画し、行動してください。

2.山行記 1999年5月2日(日)

 7時30分椹島登山口を出発。まずは、急傾斜の登りはで、鉄塔の先で一旦緩やかになる。
右手に赤く錆びた熊の捕獲器を見送るとまた、急登となる。
この急登は、尾根を右手にトラバースするまで続く。
トラバースに入ると径は緩やかになり15分位で再び尾根に取付く。
この尾根の傾斜は、緩やかで、やがて二重山稜の凹地となる。
大きな二俣のダケカンバの横を通過し、5分程で再び長いトラバース道に入る。
第1、第2の水場を越すと発達したガレとなる、。
径は落ちているがコースサインに従い2回の高巻きで元の径に戻る。
第3の水場から枝尾根に取付き、15分の急登でこれを越し、二俣の水場となる。
この水場を通過すると木の間越しに白い雪を頂いた赤石岳、荒川三山が姿を現す。
第5の水場を通過し、最後の水場で水を補給する。
長いトラバースもやがて終わりに近づき、急に目の前が開け、上倉沢の源流、今日の泊り場に着く。

1999年5月3日(月)

 朝食後、テントを撤収して、空身で笊ヶ岳のピークを目指す。
雪の尾根に取付き暫くは谷合いを、その後はシラビソ林を電光型に登る。
雪が1メートル程あり、径は不明瞭で、赤ペンキのサインにしたがって登る。
1時間ほどで、稜線前の手前の見晴台に到着。しばし、南アルプス主稜の大展望に見とれる。
稜線に出て、左に小笊を見ながら主稜をピークを目指して登る。
ピーク手前のダケカンバ林の中に雪をならしたテント場がある。
そこから一投足で笊ヶ岳のピークに登りつく。
まさに360度の大展望、話には聞いていたがこれほどのものとは。
北に白根三山、その右に甲斐駒岳、左に仙丈岳。
左に展回すると、塩見、荒川三山、赤石岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳。そして、光岳から南のの深南部の山々。
更にその左には、大根沢山、大無間山隗の寸又の山々。
南には、笊のピークから南下する布引山、稲又山、青薙山が連なる。
目を東に転じると、小笊を手前に富士山がうっすらと見える。
360度の大展望を満喫して下りにかかる。
くだんのシラビソ林の電光型の下りは、OSさんの発案で、樅の木の枝を尻に敷き足でブレーキをかけながらのソリ下りを楽しむ。
木にぶつかりそうになったり、バランスを崩して転んだり、笑い転げながらの童心に返って、楽しい下りだった。
泊り場に戻り、ザック回収後、帰路に就く。

 鈴木佑之さんの報告を私がまとめました。(文責、大石幸雄。登行者、鈴木佑之他2名)

暫く私が山に行けないので仲間の記録を掲載して行きます。
大分回復して軽い山歩きを再開しました。手軽な峠道を紹介してゆく予定です。

3.参考タイム

5月2日(日)
 椹島登山口(7:30)--鉄塔(7:50)--二俣のダケカンバ(10:50)--
第一の水場(11:05)--第4、二俣沢の水場(12:20)--最後の水場(13:20)--泊り場(14:05)(泊まり)
5月3日(月)
泊り場(5:40)--稜線(6:50)--笊ヶ岳頂上(7:55-8:30)--泊り場(9:25)--二俣の沢(10:20)--第1の水場(11:10)--椹島登山口(13:45)

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