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山犬の段から板取山・天水


天水から見る前黒法師岳・遠く聖岳、上河内岳

    1.概要
 蕎麦粒、大札、板取山付近では、一番の展望が得られる。
登路は、榛原川からと、寸又峡温泉から沢口山経由、山犬の段から往復、3つがと考えられる。
天水に直接登るルートはないが、榛原川からのルートが考えられる。
一般的には、山犬の段からの往復、今回はそれを採った。
寸又峡温泉からのルートは、下山路として利用されている。
 展望は一級品、頂上に大きな木がなく、360度の眺望が望める。
また、途中には、アカヤシオが見られ、花の季節に訪れると良い。

標高1521m2万5千分の1地形図蕎麦粒山

    2.山行記 2000年4月29日(土) 天候・晴れ
アプローチ、山犬の段まで
 山犬の段から板取山を経由して天水に行く、目的は、アカヤシオ
藤枝から静岡を回って千頭に出る、富士城付近の道路が整備され付け替えられている。
送電線下の通称展望台が、広くなり樹木も伐採され、見晴らしが良くなった。
今朝は、快晴で千頭を巡る山々がはっきりと見える。
 千頭から南下し、上長尾から南赤石幹線林道に入る。
尾呂久保の手前、道路脇の見晴らしの良い空き地に車を停め朝食にする。
右手奥に大札山、眼前には、水川の谷を隔てて大札山から南下する尾根が見え、稜線に林道が切れている。
後ろを何台も車が追い越してゆく、どうも大札山が目当てのようだ、この様子だと大札山直下の駐車場は、満杯だろう。
尾呂久保を抜けると舗装が切れ、ダートになる。
 林道の分岐、大札山尾根コースの入り口には、数台の車が停まっている。
大札山直登コース下の駐車場は、満車になっている。やり過ごし山犬の段を目指す。
山犬の段にも既に10数台の車があり賑やかだ。

山犬の段から広河原峠
 服装を整え、板取山に向かう直ぐ左手倒木が整理され見晴らしが、良くなりベンチが据えられている。
静大演習林宿舎前の道と合流、この辺りは、ブナの疎林で、下は、笹が生えている。
径は、笹が刈られ良く整備されている、板取山までは、2メートル幅で笹が切れている。
 やがて八丁の段分岐、左にとってトラバースルートに入る。
冬場は、北向きの斜面で雪が深く風の通り道で冷たい所だ。
笹の切り開きはないが、良く踏まれている、ブナの密度が濃くなり若木が目立つ。
かつて植林されたと思われる唐松が枯れブナの純林が育っている。
少し高度を上げ、山襞を数回巡り、下り気味になると八丁の段からの径を合わせて、広河原峠に出る。

広河原峠から板取山
 小休止、ここは、冬場でも風が当たらず、日当たりが良く休憩するにもってこいの場所になる。
右手は榛原川林道に下り、こちらは良く踏まれ、かつて登り下りしたことがある。
左手は、下西出の広河原に下る、こっちは全く使われていないようだ。
休憩後板取山に向かう、暫くは、ジグザグの急登を行くが直ぐになだらかな尾根径になる。
板取山の手前のピークに右から上りつく踏み後が見える、尾根を榛原川に下っているようだ。
 やがて板取山頂上、北側が伐採され、正面に遠く、聖岳、上河内が雪を纏っている。
左手に近く、前黒法師岳、右手にやや遠く大無間山。空気が澄んでいて奇麗に見える。

板取山から天水
 休憩し、数枚写真を撮って天水に向かう。暫くは、緩やかに下り、急激に下って一旦鞍部に出る。
右手の下には、所々バイケイソウの群落が見られる、水分のある沢の源頭らしい。
2個所ほどガレの淵を通過する、特に2つめは、左がすっぱりと切れている、要注意。
特に雪があったり、凍っていると危険。
緩やかに登ってゆくと、左にガレの源頭でアカヤシオを見るがまだ蕾。
また登り最後にきゅうっと登ると天水。
この辺り、アカヤシオ、シロヤシオが点在する。

天水の眺望
 この辺り最高の眺望と聞いていたがその通り。板取山より数段上。
正面に遠く、聖岳、上河内が雪を纏っている。左手に近く、前黒法師岳、右手にやや遠く大無間山。
前黒法師岳の左手には、不動岳、丸盆岳、そして特徴の有る三角錐、黒法師岳、バラ谷山と続く。
山犬の段から黒法師岳に向かう稜線林道が長く伸びている。
 あれを自転車で行ったとは、我ながら感心してしまう。
大無間山と聖岳、上河内岳との間に目立つ秀峰がある、大根沢山か。
頂上の東側にアカヤシオ、シロヤシオを探すがこちらには見られなかった。

天水から先の状況
 径は、頂上から東に向かい直ぐに左右に分かれる。左は、沢口山を経由して寸又峡温泉、良く踏まれている。
右は、オチイ沢の頭を経て、榛原川林道の標識が見られる。径は、急激に落ち、殆ど踏んでいない。
オチイ沢の頭、榛原川林道のコースは、以前に計画したが時間切れとなって板取山から引き返した覚えがある。
今日の目的のアカヤシオは未だ早かったが、天水の展望は、予想以上のものでした。

天水から山犬の段に戻る。
 ゆっくりと食事をして、山を眺めて満足し、山犬の段に戻る。
帰り道、静大演習林宿舎前の看板を見ると、榛原川一帯が演習林となっていて径が整備されているようだ。
素手で木肌を触りながら歩く、姫紗羅の木目細やか、若いブナのつや、年老いたブナの荒さ、唐松の温かさ、色々ある。
 林道脇の岩から染み出る水を汲んで帰る。
途中、大札山に登った人を拾う、頂上付近のアカヤシオも未だ咲いていないとのことでした。

    3.参考タイム
藤枝=静岡=山犬の段(9:30)−広河原峠(10:30-10:40)−板取山(11:15-11:25)−
天水(12:10-13:15)− 板取山(13:55-14:00)−広河原峠(14:20)−山犬の段(15:15)=藤枝

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