The Room of Naturalist道しるべ・駿河の山大井川中流域の山

林道文沢線から三角点尾根を無双連山


三角点尾根の中間部、ヒメシャラが混じる雑木林、足元には、笹が少し。

    1.概要
 無双連山西面は、林道と歩道を組み合わせる幾つかのルートがある。
何れも林道から稜線まで1時間30分から2時間で達することが出来る。
今回は、1,083.3mの三角点へ直接登り、アンテナのある本城山まで北上した。
この尾根に踏み跡、展望はないが、登りの場合間違い易い箇所、危険箇所はなく中間部には天然林が残っている。
三角点からは、南下し、938mのピークまで偵察し、確りした登山道のある尾根を下った。
 倉屋敷跡から南下した斜面、938mのピークの手前の鞍部にブナ林がある。
2002年現在では、この鞍部の東側、938mのピークの南面が伐採され、大展望が得られる。
 また、山中の水場にはこの時期でも水が湧き出していた。

標高1,083.3m2万5千分の1地形図石上
    2.山行記 2002年12月14日(土)晴
アプローチ
 標識のある登山道入口を見送り、右に回りこみ、沢を越え小さな尾根を2つほど巻いて行く。
右上に整った杉のある尾根を右に回りこむ、林道の左外に、並木のようにコナラが植えられている。

尾根を回り込むと、道路の左にワイヤーが置かれている。この脇に駐車する。
目的の尾根の先端は、林道で断ち切られ、気温が上がって土が溶け、小石がパラパラと落ち来る。
直接登れないので少し戻り杉の人工林に入る、入口に2,3本の間伐材を目印に立てかけてきた。

踏み跡から1,110mの最高点まで
 尾根に載ると杉の人工林で間伐され、材は整理されて歩くには支障はないが、踏み跡は全くない。
展望はなく、目立つ特徴もない尾根なので淡々と登って行く。
そのうちに赤いプラスチックの円筒形の杭が見られる、またコンクリート製の杭もある。
よく見ると、42林構事業と掘られている。
 やがて赤松の大木が目立つ場所になる、またヒメシャラが混じる。
動物の気配に振り返ると小型のイノシシが逃げていった。
時に笹が出てくるが薄く、尾根を忠実に登って行く。
やがて左にカーブする、左手にはクマの檻が放置されている。
地図には現れない小さなコブを越えて行く。
 左手に壊れた小屋を見送る、このあたりは桧が多い人工林で、コブを越えると傾斜が緩む。

頂上直下の緩やかな尾根で、左手に稜線が近づいてくる。
 少し傾斜が出て、登って行くと左右の巻き道と交差する。
稜線直下の巻き道で、登山道の水場の上で北上する径と繋がっていると思われる。
少し、ジグザグを切ると上が透け、桧の幼木に囲まれ、雪のある1,083.3mの三角点のピークに着いた。

1,083.3mの三角点から反射板
 林に入ると雪が消えたが、反射板の前は雪が残っている。
南アルプス深南部の山々にも雪が来ている。
写真を撮っていると二人の老ハイカーが上がってきた、この山で初めて人に出会った。
雪の深南部を横目に見ながら陽だまりで昼食にする。

反射板から倉屋敷跡
 反射板から戻り、薄暗い人工林の稜線を南下する。
徳山城址鍛冶屋敷跡から左に林道笹間線への標識がある。右には林道文沢線への径を分ける。
林道笹間線への径は、1,040mのピーク(倉屋敷跡)は通らず人工林の中を左に下っている。
 踏み跡にかかわらず尾根を直進する、少し下って登り返すと1,040mのピークとなり、倉屋敷跡の白い杭がある。
周りは、桧の人工林で、南面は地図でも明確なガレとなり足元からスパっと切れている。
姿勢を低くすると眺望が得られるが落ち着かない。

左右に尾根が派生するが、踏み跡は消えている。
右は、桧の人工林で下草はない、文沢林道から標識のある登山道の尾根である。
左は、938mのピークに連なり、桧の人工林で少し笹がかかっている。

倉屋敷跡から938mのピーク
 ガレの縁を、丈は膝下位で、薄い笹の中を急激に下る。
最初踏み跡がないが、やがて左下に先に林道笹間線へとある巻き径にあたる。
左下にまき径を見ながら、古い踏み跡をガレの縁を下ってゆくと途中で消えてしまう。
ガレに侵食され古い径は消滅してしまったようだ。左下の巻き径と合流する。
桧の人工林を抜けるとブナを主体にした天然林の下りになる。
 鞍部が近くなると左下が明るくなり、左(東)斜面の桧林が広く伐採されている。
一大展望地が出現している、南東面が開け、遠く日本平、静岡市市街地の一部が見える。

南面は、笹間川の流域で、瀬戸川との分水嶺の山が見え、938mのピークの左にアンテナが目立つ高根山が覗く。
左側伐採跡は、桧が植林され鹿よけのネットに囲まれている。右側は相変わらず天然林が続いている。
 鞍部から僅かに登り返すと、正面にヒメシャラの大木が見え938mのピークの一角になる。
踏み跡は定かでないが適当に拾ってゆくと足元に伐採に使ったケーブルのワイヤが張られ、大きな木がその基部になっている。
前方の林が透けて明るくなる、正面から冬の陽を浴びた斜面に飛び出す、足元には石が転がっている。

938mのピークの南斜面が大きく伐採され、伐採跡には、桧が植えられている。
眼下には、笹間川、加賀沢が広がり、左下には、林道笹間線が山腹を縫って延びている。
伐採によって南と東側に予期せぬ展望が得られた、しかし、既に桧が植林されているので、ここ数年で消滅するだろう。

938mのピークから登山口に戻る
 戻ることにする、938mのピークは、南北に広く、ワイヤーを跨いで、ヒメシャラの脇を通って鞍部に下る。
鞍部は右手が植林された伐採地、左手はブナを交えた天然林、足元には少し笹が見られる。

 倉屋敷跡まで登り返す、左上に、木の間からピークが見えるが、意外と遠い。
最初は尾根を行く、少し左に巻き天然林の中を通る、尾根に出て、次第に右の人工林に入る。
径はやがて尾根から離れて行く、適当に見切って左に上がり、倉屋敷跡に戻る。
ここから直接尾根を下ろうとしたが、下のほうで犬の鳴き声が聞こえる、こんなところで撃たれてはいけないので分岐に戻る。
 少し下って、杉の人工林の中を、標識にしたがい左に分岐する、下り始めて直ぐに右に水平に道を分ける。
この径は、今日最初に登ってきた尾根で交差した水平の径に繋がっていると思われる。
径は、小さな尾根を下り、左に巻いてゆく、暫らく行くと右手から水音が聞こえ水場になる。
 水場は、冬のこの時期でも枯れることはなく径の下から湧き出している。
巻き径は、倉屋敷跡からの尾根に変わる、杉の人工林を下ってゆく。
コナラの林(人が植えたものと思われる。)に変わると、登山道入口に近く、落ち葉が径を埋めている。
林道に降り立ち、径を右にとって車に戻る。

    3.参考タイム
2002年12月14日(土)
藤枝(9:00)=島田=家山=下泉=文沢=林道文沢線=三角点尾根取り付き(10:30)--赤松の段(10:50)--850m・枯赤松(11:15)
--壊れた小屋(11:30-11:40)--巻き径と交差(11:55)--1,083.3m三角点(12:05-12:10)--中電反射板(本城山)(12:15-13:10・昼食)
--徳山城倉屋敷跡(13:25)--938mのピーク(13:45-14:00)--倉屋敷跡(14:55-15:05)--山中の水場(15:12-15:20)--標識のある登山口(16:00)
--三角点尾根取り付き(16:20)

    4.MAP
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