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林道文沢線から無双連山-2

    1.概要
 無双連山西面のルートは林道が入り組み、歩道も多くある、林道と歩道を組み合わせると幾つかのルートがとれる。
今回は、約1,110mの最高点へ直接登り、清水砦まで北上、清水砦手前を巻き径に入り、四辻に出て出発点に戻る。
このコースは、最高点までの最短ルートで、展望もある。
ルートに標識はなく、中間部に間伐材が尾根を塞いで歩きにくい、林道歩きが少し長い。

標高1,083.3m2万5千分の1地形図石上
    2.山行記 2002年11月2日(土)晴
アプローチ
 前回同様に藤枝からハナミズキ通り、島田を経由して県道を北上、家山を過ぎ、下泉へ。
下泉の駅の手前を右折、下泉河内沿いの町道に入る、右に不動の滝への道を分ける。
一部、道路工事は、終了した。文沢集落の端で舗装道路が終わり、右に回りこんで林道文沢線に入る。
比較的大きな沢を渡り、山腹を巻いてゆく、左にUターンすると右に戻るように林道が分岐する。
この分岐が少し広くなっている、標識のある登山道入口は、その先の尾根の末端にある。
 これを見送り文沢林道は、更に奥まで延びている、県営林の看板の手前の尾根先端に踏み跡がある。
ここのブッシュを整理し、杉の小枝に小さく赤布を付けた。
天候の安定している午前中に深南部を撮影するため清水砦の北、林道が稜線を切っている所に行く。

大無間山

写真撮影後、車で登山口に戻る。
なお、林道は工事中で、工事のおじさんの話では、先は行き止まりで、抜けられないそうです。

踏み跡から1,110mの最高点まで
 踏み跡入口は、小さな尾根の先端でブッシュを整理し、杉の小枝に小さく赤布を付けた。
これは、見逃し易いが、直ぐ道路左に県営林の大きな看板があるのでこれを見て戻ると良い。
この取り付き点は、1,110mのピークから派生する尾根が北に曲がって林道に接する地点になる。
入口からの踏み跡は直ぐになくなり杉林に消えて行く。
尾根を外さないように行けば良いが、気が付くとオレンジ色のプラスチックの板状の杭が地面に打たれている。
この板には、番号が振ってある。
 やや広い尾根を上を目指して行くと、尾根が細くなり大きな岩が2つ径を塞いでいる。
近づくと見た目ほどでなく難なく乗り越えられる。
そのまま上がって行くと間伐材が散乱しているが尾根は整理されている。
 右から同じような尾根が合流する、真っ暗ではないが杉の人工林で展望はない。
暫らく行くと傾斜が緩んで一息つけると言いたい所だが、間伐材が尾根にかぶさり歩きにくい。


尾根の中間部を振り返る

このあたりがプラスチックの杭の番号が、No12、13となっている。
 尾根に大きな樅の木が残されている。この辺りでは、少し日が差し込む。
次いで最近間伐された桧の林になる、まだ青みの残る葉が付いている、ここも尾根を間伐材が塞いでいる。
このあたりから作業に使用したと思われる踏み跡が見られる。
プラスチックの杭の番号が、No24、25あたりでなくなる。
 間伐材の間に常緑の広葉樹が混じるようになる。
右上に尾根上に小さなピークがある、これに登ると明らかな踏み跡がある。
やや左に行く、左手の下は、小規模な二重山稜になっている。
ピークから右手下に踏み跡が伸びているようだが定かではない。
やがて右手上が明るくなり稜線が近づく、と、踏み跡は右に巻いてゆく。
程なく稜線に出る、出たところは無双連山頂上(標高1,083.3mは、間違い)の大きな標識のある1,110mの直ぐ北側だった。
稜線との分岐には何もなく、微かな踏み跡だけがある、簡単に鉈目をつけた。
稜線に出て左に行くとこれから北、本城の白い杭があり1,110mのピークになる。

1,110mから反射板
 1,110mから戻って、空堀を越え、反射板の横を通過し1,083.3mの三角点まで行く。
三角点の周りのリンドウの花はもう枯れてきていた。


1,083.3m三角点

もう一度反射板に戻り、昼食にする、目の前のススキが刈られて見晴らしが良くなった。
正面に前黒法師岳、少し遠く黒法師岳、丸盆岳などの南アルプス深南部の山々が連なっている。


南アルプス深南部

右には、大無間山が小無間山、風不入を従えて少し遠く、更にその右に赤石、悪沢岳か南アルプスが覗く。
反射板から東に切り開きがあり、明確な径が無双連沢に下っている。雑木林で紅葉している。


東側の切り開きから振り返る。

径の北側、反射板の裏の高みに本城の標識がある。

反射板から清水砦
 昼食後、清水砦に向かう。「空堀」、「これより北、本城」の白い杭、標高1,110mの最高点がある。
「殿屋敷」となり城跡の中心部、屋根だけの壊れかけた小屋掛け先から東に尾根が派生する、歩けそうだ。
稜線が細くなり、「犬戻り」だ、天然林の気持ちの良い尾根になっている、この稜線で一番の場所だ。

渡りきる頃に右、東方面が切れ小猿郷の上部集落が望める。富士山は、見えそうにない。

 人工林に入り左に下る径がある、青部、徳山方面に下る、標識はないが、鉈目があり、径は、良く手入れされている。
今回は、これを四辻に下ることにする、一度清水砦に行き、戻って巻き径に入る。

清水砦から四辻
 最初は、ジグザグを切って、人工林の中を急激に下る。
下りきると天然林の中をほぼ水平に山裾を巻いてゆく。
道は良く手入れされ、桟道が作り直され、倒木も整理されている。
前回、林道から降りてきた地点付近から人工林になる。
 間伐が適当になされ日も差し込んでいる、最近下刈りがされ小枝が径を塞いでいる。
杖代わりに、適当に枝を切り、被った枝を取り除きながら下る。
暫らく下ると左下がガレている、こんな所にガレかと思ったら林道の法面だった。
林道を左下に意識しながら下ってゆくと南東方面の展望が利くようになる。
正面に、何処が頂上か解らない無双連山、左の稜線が細く天然林なので「犬戻り」だろう。

 やがて四辻に下る、ここは山中の大交差点で、広場のようになっている。

東に延びる林道の先が明るくなっているので展望が得られるかと思い入ってみるが無理だった。

四辻から林道を出発点に戻る
 四辻から林道を戻る、最初は少し登っている、所々南が開ける、八高山方面と思われるが山名を特定できなかった。
このあたりの林道は岩盤を削ってあり左側の尾根からは、時々水が染み出している、水脈を切ってしまった様だ。
やがて下り、右にカーブすると水量の多い沢に出る、やり過ごすともう一度沢になる。
この沢の横に鉄製の梯子がある、先日下ってきた地点で、登山口(水場)の標識がある。
梯子を上ると右に沢に下りられ水が得られる。
林道は、更に右にカーブする、180度回り込んで丁度林道の最高点と相対する位置になる。
この先、右に、県営林の大きな看板がある、そして、元に戻る。

林道を偵察
 元に戻り、まだ日があるので林道を偵察に行く。
四辻から作業道ホソ山線を東に入る、荒れた路面を抜けると左から別の林道が上がってきている。
良く踏まれ、ダンプやトラックが行き来している。現在新しい林道を造成中だ。
暫らく走ってみるが作業の邪魔なので引き上げ、四辻に戻る。
四辻から、青部、徳山方面の林道を下り、国道に出て戻る。かなり遠回りで長い。

    3.参考タイム
2002年11月2日(土)
藤枝(9:30)=島田=家山=下泉=文沢(11:00)=林道文沢線=県営林看板近くの踏み跡入口(11:40)
--中間の段(12:10)--稜線(12:50)--空濠(12:55)--三角点(13:05)--陣屋平(12:25)--中電反射板(13:10-13:45・昼食)
--水場登山口への分岐(13:52)--犬戻り--清水砦(14:10)--四辻(14:50)--出発点(15:30)

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