山案内・Hiking Guide

中ノ尾根山

2214mのピークから見た中ノ尾根山

1. 中の尾根山の概要

静寂だけが支配する深南部の雄峰
 標高2296.4m 2万5千分の1地形図、伊那和田、池口岳

2.山行記 1998年4月25日(土) 天候・雨

 OSさん、TMさん、OKさんと私、いつもの4人組がOKさんのパジェロで焼津から藤枝を回って出発。
前年の黒法師岳と同じルートで、水窪ダムへの道を右に分けて直進し、兵越峠方面に向かい、白倉川に入る。
暫くは舗装してあり、思ったより早く白倉川権現橋に着く。 橋の手前右側の駐車スペースに車を止める。朝食を摂る。
荷物を再配分して小雨の中を林道を歩き、上流を目指す。
この辺り川には砂防堰堤が多い。
橋の先に厳重なゲートがあり二輪車も入れない。(マウンテンバイクは可能だ。)
林道は最初は緩やかだが、直ぐに傾斜を増して登って行く。
可成り大きな釣り橋の黒沢橋を右に見て行く。この橋は、車両通行止めになっている。
 この頃から雨がひどくなり、雨具を着けたり、傘をさす。
川と林道の距離が離れる。特に傾斜の急なカーブは舗装してある。
左に大きく曲がり込んで右の高みに行く。川を覗くと砂防堰堤も少なくなり良さそうなポイントが続いている。
先に見える林道は可成り高くに見える。
所々に小屋があり、そのひとつで暫く雨宿りをする。
 林道が大きく右へ曲がり込んだ先で、川は東俣沢、西俣沢に分かれる。
ここにある小屋は、三角屋根のまるでペンションみたいに整った小屋だ。
この小屋の右手を径が下がっている。沢の合流点に降りられそうだ。
ここで立ち止まるとみんな動けなくなりそうだ、止まらずに先を行く。
 また左に曲がり込む、曲がり込んだ所が西俣沢白倉橋だ。
橋の直ぐ上が砂防堰堤となっている。
この橋の左手を越えて行くと西俣沢の中を行くコースとなる。
今回は雨が続いた後なので沢の中のコースは諦めて、より安全な尾根のコース往復とする。
 橋を渡って暫く行くと左側に崩壊した林道を分け、その先の右側に小屋がある。
この小屋を拝借することにする。林道の起点から7.5キロ地点だ。
(今年は頑張ってテント2張り持ってきたのになあ。)
この所にも梯子になった登り口があるがどこまで行くのか不明だ。 水は少し先に林道を横切って大量に流れている。
荷物を置いて偵察に行く。
林道が1箇所崩壊している、また、所々に落石があるが歩ける。
林道終点の手前の尾根に右へ降りる径が付いている、東俣沢と西俣沢との合流点に降りられそうだ。
9キロ地点の先に小屋がある。そこが林道の終点となっていて、左手に登山口がある。
林道は、この先も有ったようだが現在は、全くの廃道で、崩壊している。
ここの所はちょっとした広場になっていてテントが数張り張れる。
但し水がないので林道の途中で汲んでくる必要がある。
この尾根にも沢に降りる径が付いている。
小屋は立派な造りで非常に奇麗な小屋だ。
 標識は、浜松北高山岳部のとりつけたものだ。傾いた標識を立て直し、小枝を立て赤布をとりつける。
小屋に戻って昼食、食後の運動に釣りに行く。魚は、イワナと思っていたが、アマゴでした。

<参考タイム>
焼津(5:00)=藤枝(6:00)=掛川=森=天竜=大輪=水窪=白倉川権現橋(9:00−10:00)--
7.5キロ地点の小屋(12:30)午後は偵察(中の尾根山登山道入口は9キロ地点)と釣り

1998年4月26日(日)  天候・晴れ


 昨日とはうって変わってよく晴れ上がりました。
壊れた林道を歩いて9キロ地点の小屋の脇から登る。
入口の足場がちょっと悪い。直ぐに桧の植林帯に入りジグザグを切って登る。
暫く登るとカラマツの尾根となる、径にはカラマツの落ち葉が敷きつめられてふかふかとして気持ちがよい。
1回目の休憩、1本のダケカンバの若木がみずみずしい。
 熊笹の密林となるが、笹が刈ってあるので径は良い。熊笹をトラバースする辺りで2回目の休憩。
これを抜けると中央アルプスの見える尾根の開きにくる、この辺りが中間点で休憩によい。
針葉樹の落ち着いた林に入る、暫く登ると一息着ける広い尾根になる。山道の駅の標識がある。
 また、急登になり、径が左に振られる、雪が残っていた。
ここは道型が乱れる、赤布を目印に突破すると最初のガレに出る、黒沢山がよく見える。
(ここは、ガレが発達して径が変わったようだ、帰りに上から直進したら、途中で径がなくなった。)
一旦傾斜が緩む、最後の急登に備えて短い休憩をする。
直ぐに2番目のガレ、端っこが崩れていて危険だが距離は短いので、直進する。
最後の急登となり、案外あっけなく2214mのピークの基部に達する、新しい標識があり左に巻く。
 熊笹のトラバースとなるが、所々に赤布がありこれを頼りに抜けると、中ノ尾根山との鞍部になる。
ここで休憩、鹿の糞が多くゆっくり出来ない。この辺りは、鹿とか動物の世界だ。
丈の短い熊笹の登りとなる、ゆっくりと深南部の雰囲気を感じながら登って行く。
 針葉樹の林となり傾斜が落ちると頂上の一角に着いたことが判る。

広くなだらかな、静寂の支配する中の尾根山の頂上に到着する。数枚の標識がある。
まだ雪が40、50センチ残っている。三角点は雪の下で見つからなかった。
寒く、展望もないので、さっきの鞍部に戻って昼食にする。
 帰り道、2214mのピークに登って中ノ尾根山の撮影をする。
この頃になると午後になり雲が出てきて頂上を隠したり、現わしたりとなる。
西の方面以外は展望がきくが、寸又の山々は、雲がかかって見えない。
ピークの直下で休憩、風もなく静かな午後、目を閉じると寝てしまった。起きて下りにかかる。
 上のガレ場では、黒沢山が奈良代山からの長大な尾根を従えて立派に見える。
ゆっくりと下って中央アルプスの見える尾根の末端で休憩、そのあと林道に降り立つ。
林道終点からは今日登った尾根の全貌が見渡せ、上の方の2箇所のガレが望める。黒沢山は、午後の逆光に沈んでいる。
 小屋に戻り荷物をまとめて、林道を歩いて戻る、西俣の橋ではカモシカの幼獣に出会う。
来るときには、途中で白い鹿のお尻も見た。
林道から黒沢の入口が望めますが、林道は、崩壊がひどく、今は、全く使っていないようだ。
 権現橋の所は、帰りに上から見ると右手に大きな1枚岩になっていて、その基部に鳥居がある。

3.参考タイム
7.5キロ地点の小屋(6:30)--中ノ尾根山登山道入口(7:00-7:10)--2214mのピーク分岐(9:40)--
中ノ尾根山(10:20)−途中で昼食−2214mのピーク(11:20-12:00)--尾根の末端(12:40)--
中ノ尾根山登山道入口(13:30)--7.5キロ地点の小屋(14:00-15:00)--権現橋(17:10)=
水窪=天竜=森=掛川=藤枝=焼津

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