The Room of Naturalist道しるべ・駿河の山

伝付峠

富士山・伝付峠稜線1999.10.2

1.概要

伝付峠標高2,020m2万5千分の一地形図新倉

2.山行記

 1999年10月2日(土)天候晴れ。

二軒小屋から伝付峠
 着替え等の不要な荷物を二軒小屋ロッヂに置いて伝付峠を目指す。
小屋の裏手イワナとアマゴが遊泳する池の脇を通って、標識に従い登山道に入る。
歩き易い径が杉林の中に伸びている。右にプラスチック製の給水タンクを見送る。
手摺状の柵が現れて、右手から水音が聞こえると、木に付けられた水場の標識を見る。
左手に一段高くなりベンチがある、ここまでで30分、小休止する。
 この一角には、桧が見られる、日溜まりで、暖かいのだろうか。
続いてブナの大木が見られるような広葉樹の天然林をジグザグを切って登る。
眺望の効かない樹林の径は、昔の峠道らしく登り易い。
焦らずゆっくり登ると左に2、3人が腰掛けられる石があり、正面に<転付峠−二軒小屋>の標識を見る。
この石で休憩し、昼食を簡単に摂る。ここまでで、二軒小屋から約1時間。
<転付峠−二軒小屋>の標識の後ろにも踏み跡があるが、ここは、左に折れる。
小さな尾根を登るようになり、林は、針葉樹になる。
針葉樹林帯を登る、やがて落葉松林になり、右下に林道が見える。
 林道に下る径は、トラロープが張ってある、入るなということか。
さらに落葉松林のジグザグを切って登ると、また、ベンチがある。
休憩、ここまでで正味1時間30分。高度計標高1890メートル。
ベンチの近くには、黒いパイプが来ていて、水の多い季節には、水が得られるかも知れない。
 落葉松林を抜けると針葉樹が多くなる。
今までと違って林床に陽が入って下草が多い。ゴゼンタチバナ等が見られる。
針葉樹の背が高くなると峠に近づき二手に分かれる。
左をとる。一度小さなガレの頭に出る、周りは、笹原となる。
平らな地形を見ると地図上で、頂上直下に来たことが判る、
グッと登ると稜線の林道に飛び出す。正味2時間。

伝付峠の稜線林道を歩く
 稜線林道が横切っていて、峠の雰囲気はないが、「山の神」の石の祠と「標高2020米の標石」がある。
高度計標高2020メートル。
「山の神」の祠の先には、笹の中を新倉方面に径が下っている。
左に第一展望台5分、第二展望台10分の標識、右にトイレの標識がある。
 峠には、眺望がないので第一展望台に行く、展望台の手前右手に富士山が現れる。
意外と良い、適当に遠くて間に、山、雲があり雪の来る前、落ち着いた雰囲気で静かに立っている。
第一展望台は富士山展望台と言える。先ほどと同じように富士山が良く見える。
後ろ、南アルプスは、悪沢岳が余りにも大きい、左の肩には赤石岳が覗く。
第二展望台に行く、林道から少し入った広場になっている、富士山は見えない、南アルプスも遠い。
ここで遅い昼食にする、大休止。

伝付峠から二軒小屋に下る
 3時になる、4時には下り始めなければ、あと1時間、南下する。
峠に戻る、更に南に行く、林道に新しい車の轍がある、使われているようだ。
笹原の中、広場になる、右にトイレ、左に下る径がある。
暫く行くと左に笊ヶ岳の標識があり林道が二手に分かれる。右にとる。
相変わらず、悪沢岳が大きく、赤石岳が覗く、午後の逆光の中、山襞が浮かび出る。
風もなく静かな午後だが、ただなんとなく水気が多い空気で、天候悪化を思わせる。
4時になる、先ほどのトイレのところまで戻り、左に丈の短い笹原を入る、直ぐにベンチがある。
大きな針葉樹の林を下ると先ほど峠の下で別れた道に戻る。
後は来た道を引き返す。正味1時間でロッヂに戻る。

 伝付峠は、登る峠道は良いが、峠自体は、林道が走り、雰囲気が良くない。
意外な収穫は、富士山。
南アルプスは、峠が思っていたよりも北に寄り過ぎ、悪沢岳が大きすぎる。
林道は更に南に延びているので、南下して捜せば他に良いところが有るかもしれない。

3. 参考タイム

二軒小屋(30分)--最初のベンチ・桧の木(30分)--正面に<転付峠−二軒小屋>の標識(30分)
--唐松の林のベンチ(20分)--伝付峠(70分)--二軒小屋


二軒小屋ロッヂ・1999.10.3

白根南嶺 山案内・Yaman The Room of Naturalist

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