The Room of Naturalist/道しるべ・駿河の山/安倍川西岸の山

中平から見月山


見月山 北方から 2000.2.12

1.概要

一部のガイドブックには、見月山は日の射さない杉林の中を行くだけとあるが、コースを選べば、展望の山となる。
今回は、安倍川沿いの中平から主稜線に登り、北から回り込んで見月山に至る。
頂上付近の大展望台は、桧の枝先が延びて展望を隠しはじめた。
例によって永野さん推奨のコースを、K氏と行く。
予定では、見月茶屋に降りる。

標高1046.9m 1:25,000地形図駿河落合/湯の森

2.山行記・2000年2月12日(日) 天候・晴れ

アプローチ
安倍川沿いの県道から離れて、左に折れ旧道に入り、中平の集落を抜け林道を行く。
広い茶畑を抜け、山道になると廃車になったマイクロバスが道の右側に見える。
ここで左に分かれる林道があり、直ぐにゲートになる。一度入り口を確認し、先程の分岐に戻る。
この分岐点付近が広くなっていて車、数台を置くことが出来る。ここに駐車する。

登山口から標高650mの鉄塔基部
左の林道に入り、モノレールを右に見てゲートをくぐり、但し今日は開いていた。
頭上の送電線の下を横切り2本目の送電線の先に右側、壊れた梯子がある。
この梯子が入り口、腐っているので折れないように気を付け、強引に登る。
植林の中に微かに踏み跡が伸びている。林の中を登ってゆくとモノレールに突き当たる、これを跨ぐと径がはっきりして来る。
実は、この先、北(右)に別の径が伸びていてこちらが本道だった。
杉の植林地帯で薄暗い中をジグザグが切ってあり登り易い、岩交じりの細い尾根になり、林を一旦抜ける。
明るい桧の幼樹の植林帯になると送電線の鉄塔が見え標高650mの鉄塔基部に登り着く。
振り返ると安倍東山稜の浅間原辺りが見える。小休止する。
ここまでで約30分、服装を整えたり、荷物を確認したりするのに丁度良い。

標高650mの鉄塔基部から鉄塔・標高820m
上を見ると鉄塔が2列見える、今度は、南側の鉄塔を目指す。
電線の下、伐採された跡を電光型に登ってゆく。
径は、しっかりと踏まれていて迷う所はない。
一度植林帯に入り、明るい所に抜けるとまた鉄塔がある後ろに見える安倍東山稜の視界が狭いので更に上を目指す。
もう一度林に入り抜けると4本目の鉄塔・標高820mに来る。
ここまでが約1時間休憩するのにもってこいの場所だ。
振り返って見ると安倍東山稜が大きく展開する。ここからこの上の細い尾根までが安倍東山稜の大展望台となる。
右から真富士山、第2真富士山、浅間原、青笹、下十枚、十枚、遠くに八紘嶺、大谷崩まで見える。
安倍東山稜の展望台としては、第1位だ。北側には、八森山(1044.6m)が大きい。

鉄塔・標高820mから稜線
西側に見月山から北に伸びる稜線が近づき、鉄塔が2本並んで見える、そこを目指して登る。
細い尾根になり左側にまた、鉄塔を見る5本目か。ここからは、更に南、先日登った竜爪山が望める。
尾根から離れトラバース道に入る、周りは雑木林で、山影になり足元の土は、10〜20センチの霜柱で盛り上がっている。
ジグザグを切り高度を上げ、トラバースし西に向かうのを、数回繰り返し、主稜線に近づいてゆく。
送電線下の杉の木が倒れたままの伐採跡(径を塞ぐことはない。)に出ると、直ぐ上に鉄塔が見え主稜線に飛び出す。
伐採木に小さな標識が打ち付けてあり「見月山⇔三星峠、八森山」とある。2本の鉄塔が並んでいる。
ここまで約2時間、休憩とする。
ここからは西側が開ける。右から山伏、遠くに大無間山が見える、その左には、風入らず、手前に三ツ峰、七ツ峰。

稜線下降点から見月山頂上
休憩の跡稜線を南下する。短い笹となり、伐採木の中を登る直ぐに杉の植林に入る。テープが賑やかだ。
杉の植林帯を標高991mを目指す、ピークは杉の林の中で、薄い笹がある。
下りにかかると前が明るくなり、伐採地の上になる。枝が散乱していて歩き難い。
展望は、先程の鉄塔の所よりも開けて大無間山は、小無間山を右に、左に風入らずを従え両翼を広げた形になる。
散乱した枝を整理すれば良い休憩地だが、下で作業をしていて、チェーンソーの音が響き、落着かないので先を急ぐ。
細い尾根で、周りは雑木林だが、笹が濃くなって来る。
ゆっくりと登ってゆくとまたまた杉林になり、標識があり(こっちからは裏)左に「見月茶屋」への径を分ける。
見月茶屋分岐から一投足で見月山頂上、頂上は三角点はあるが何ともないピークで標識がなければ気がつかない。

稜線に出た所からテープが頻繁に出てくる、その中でお洒落な付け方をする人が居る、短いテープを枝先や笹の頭に付けてゆく。
べったりと幹に巻き付ける気の利かない輩とは大違いだ。(幹に巻き付いて木の成長を阻害するテープは外した。)

見月山頂上から丸太の散乱した展望台
直ぐ下に使っていない雨量計の小屋がある。頂上は薄暗く寒いので直下、西側の大展望台を目指す。
頂上から数分で下りきった所にテープ類が固まって付いている所が入り口、柿島への下降点だ。
以前に着けた赤布が気になっていた、幹に巻き付けてしまったので食い込んでいないか。
心配の通りに少し食い込んでいる、早速取り外し、枝に結ぶ。ついでに隣の巻き付いたテープも外す。
桧の林を西側に突き進む、木が大きくなって見え難い。
直進するのを右側に寄りすぎ、予想より北側に出てしまう。以前には気がつかなかったモノレールに突き当たる。
左にケーブルの支柱にした枯れ木がありそれを目印に行くと丸太の散乱した展望台に来る。
遠くには聖岳、上河内の白い峰も望める大景観を目の前にして心が豊かになる、贅沢な景色をおかずに昼食にする。
この好展望台も、植林された周りの桧が大きくなった、あと2、3年で見えなくなってしまいそうだ。


聖岳 見月山仮称展望台から

大無間山、右に小無間山、左は、風入らず。 見月山仮称展望台から

車まで戻る。
帰りは、車のこともあり、下りてからの舗装道路を小一時間歩くことを考えて、そのまま戻る。
丸太の散乱した展望台から主稜線に戻る途中に壊れかけた小屋を見る。
しっかりとした小屋だが、周りの木が大きくなり日が差さなくなってしまった。
主稜線に戻り、見月山頂上を越え、右に見月茶屋への道を分ける。
歩きにくい伐採地を通過し、杉林の中、テープが賑やかなピークから下降点に戻る。
主稜線からの下降点で西側の景観に別かれを告げ、安倍東山稜を正面に見て下ってゆく。
ここは、山の北側になるので、足元は凍ったままだ、霜柱も溶けずに残っている。
鉄塔・標高820mの段は、素晴らしいパノラマを見せてくれる。
650mの鉄塔の下、林の中でモノレールの所で朝来る時とは違って左、北側に行くと真っ直ぐ伸びる林道に出る。
この林道からの径には、入り口に見月山の標識と鉄塔巡視のプレートがある。登るにもこちらかの方が良い。
ガイド風に書けば、「林道分岐に車を置いて、そのまま廃車の脇を直進、暫く行くと左手に標識がある。」となる。
林道に出て、右に行くと朝、車を置いた地点に戻る。
このコースは、期待以上の景観を見せてくれた。


八森山 鉄塔・標高820mの段から 2000.2.12(午後)

3.参考タイム
中平(9:10)--鉄塔・620m(9:45)--鉄塔・820m--稜線(11:20)--
見月山頂上(12:20)--大展望台(12:40〜13:40)--稜線(14:40)--中平(16:05)


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